クリスの姉。彼女が主軸である最終章のタイトルが「プロローグ」となっている事からも分かる通り「この箱庭よりも大切な人に」と言うクリスの物語は、姉であるローズそのものが始まりである。
種族はクリス同様、この世界の創造主ではなく違う理を持つ女神に創られた存在、女神の末裔と呼ばれる種族にあたる。ただしこの種族は正しい「末裔」とは程遠い方法で創られている。
クリスと違って両親を知って育っており、レヴァとも面識がある。と言うかレヴァは元々ローズの剣であり、レヴァも主はローズと認識していた。
最終章にもある通り、孤児になった後の彼女は最終的に金持ちの養子に貰われて、その義父を殺してから、盗みを繰り返し生きていた。盗みの目的はチェンジリングの解除。解除において一番重要なアイテムを入手の際にエリオットと出会い、紆余曲折ありながらも一緒に旅をする事になり、その道中でダインを拾った事でエリオットと離れ離れになってしまったのが、第一部第一章の直前となる出来事。
ローズとエリオットとの関係性は傍から見ると公私共に寄り添う恋人同士なのだが、実際はまったくそんな事は無く、彼女はエリオットの事など何とも思っていないのでまともな恋人同士とは言い難い。盗賊稼業だけ鑑みると相棒なのだが、相棒と言うほど気を許しているわけでもなく、しかし単なる相方で済ませようにも肉体関係はある、とややこしい事になっている。結局のところ一言で言い表すには複雑な関係性には違いないが、エリオット側は「恋人」で通していて、ローズもそれを受け入れていた。
ダインに乗っ取られていた際の記憶は一切無い*1ので、第一部第十四章ではわけが分からないまま痛みと共に意識を取り戻している事になる。ので、その後の彼女の台詞は、一体何がどうなったか、と問う時間も惜しんでのものとなっている。それほど、チェンジリング解除への執念が強いと言えよう。
ちなみにローズは、エリオットを通じてライト&レフトとの交流がある。作中では直接的な交流は無いが、ライトの家に収集した大事な遺物を忘れて置いていったりする程度には気心知れた様子。(仲が良いとは言っていない)……ちなみにこの点に関しては、ライトが言うには「忘れていった」物だが、家の主が「最近部屋で見つけた」程度に見つかりにくい場所にあった事を考えると、ローズが「わざと隠して置いていった」可能性が高い。何故ならその品は大事な物で失くしてはいけない物で、忘れるはずが無いからだ。様々な場所を転々とする自身が持つよりも、王都に定住しつつ仕事をしていないヒキコモリ医者の家のほうが落とさず安全と判断したのだろう。ただ、ライトが天然魔術紋様持ちでその隠した品の存在に勘付く事が出来てしまった事までは、さすがのローズも予測出来なかったと思われる。そして、遺物をきちんと持ち歩いていたならば悲劇は起こらなかったことも……
前述の通り武器は短剣だが、同じ短剣使いのセオリーとは違い、ローズは投げナイフがメイン。特に、スペルは違うが妹と同じ名を冠する、波打った形状で殺傷能力の高いナイフを扱う。ただし柄に竜が彫られた一級品だけは、投げる事無く肌身離さず大切に使っていたようだ。(ちなみにこの短剣を投げナイフとして扱うのは現実では一部地域のみになっており、一般的にはあまり投げる物では無い)
なお対人時は基本的に笑顔なのだが、ダインが乗り移っている際はその限りではなく、更に本編ではない4コマ漫画などのコメディシーンでは無表情で他者を慄かせる。コメディの際は心情を読み取らせない等の「構える」必要が無いから素の「他人どーでもいいわぁ」な表情が全面に出ているだけで、キャラ崩壊しているわけでは無いのじゃよ。
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