偽名の由来はそのまま黒幕。黒幕はミスラじゃないのかと思われそうだが、最終戦においてミスラの裏をかくファインプレーをしたのはコイツである。
本名はユング。(北欧神話のフレイの本名から由来。神話でフレイは、目的の物を手に入れるために幼馴染を遣わし、またその際に特殊な武器を手放し、また、手放したせいでその後敗れる事となる)
突然変異としてエルフの持たない色で生まれ、両親は早い段階で亡くなり、仕方なく里全体で育てられていたが、その容姿もあって煙たがられており、マトモに相手をしてくれていたのはスクイル(セオリー)とルフィーナくらいであった。
故に、スクイルが里を出ようとすれば即決で着いて行くし、里を滅ぼそうとすれば何の躊躇いも無く手伝うのである。だが彼にとってこれが冷たい行動かと言えばそういうわけでは無い。何故なら、彼は親しい人以外に優しくされた記憶が無く、赤の他人を気遣うなどと言う発想自体が無いのだ。だが、気遣う利があると判断すれば細かく気配る面も多々見られる。エリオットの怒りを買うと面倒なので、手は出さない、殺さない、傷は治してやる、そのような判断だ。
ハイエルフの里をスクイルと共に出た後は様々な仕事をしていたが、たまたまエルヴァンの僻地の異常調査に従事する機会があり、その際に神の使い(レクチェ)と遭遇する事で神に目をつけられる事となる。この時に目をつけられたのはあくまでユングのみ。スクイルはユングに失敗したからついでに巻き込まれたようなものだ。神による実験で分かりやすく触覚に異常を来したユングは治そうと躍起になる。そして治す為に何百年と模索することとなる。それがどんなに他人の害になろうが、一切構わず。
まずは神の使いを捕らえ、治させようとする。出来ないのであれば、それを出来る神を降ろそうとする。だがその時既に神と袂を分かっていた神の使いでは使い物にならない。最終的に使う事にしたのは、もう一人の神の使いが目を掛けていた、とある王子。きっとコレこそが、次の神の使いになるのだから。さっさと降ろして、治させよう。
ちなみにそれらをする道中で、女神の遺産を集めるためにその末裔を殺したり、遺物方面の考古学の天才を攫ったり、資金集めの為に竜を育てて売ったり、やりたい放題している。
ルフィーナの事が幼い頃から大好きで、告白して振られているにもかかわらず、いつかは成就すると信じて疑わない。彼女が何をしていても問題無い。彼女からの自分の扱いがやや雑な事を分かっていながら、それでも本心では好きでいてくれてると思っている。やばい。
触覚の異常を治す事に躍起になっているのは、ルフィーナの存在が大きい。好きな人が居るからこそ、触れる感覚が無い事に大きく絶望するのだ。
セオリーに対しては無二の親友くらいに思っていて、こちらも信じて疑わない。裏切るだなんて思っていない。ちょっと悪さをしていようとも受け入れてしまう。何故なら彼は自分を受け入れてくれているから。友人なのだから。
クラッサに対しては悲しい事に、その唯一無二の幼馴染達とは違い、あくまで利害関係のみだと思っている。攫って来た考古学者は調べさせた事の行く末を見たいらしい、くらいの感覚。何なら幼馴染よりも余程愛と忠誠心に溢れた人なのに、彼の中で最初から彼女は「信用の外」に居るが為に除外されているのだ。もしクラッサの心に気付けていたとしても「俺にはルフィーナが」とか言って断るだろう。見た目は割と好みでも、恋愛対象はルフィーナオンリーなのである。殴りたい。
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